【図解】寿司の握り方研究 -上級編-

ワンランク上の握り寿司
ワンランク上の握り寿司
まんまるプップ

うまそうなスシ!!!(自画自賛)

中トロの握り


スシ修行を続けていると、「もっと美味しく!」「もっと美しく!!」という願望が湧いてくるはずです…

今回は手作り握り寿司のクオリティをワンランク上げるテクニックをご紹介します。

練習を重ねるのはもちろん大切ですが、ワンランク上に行くためにはさらなる知識が必要です!
今回は特別に、私の半年の成果をノートにまとめてお見せしちゃいます。

基本の握り方は下の記事で解説しています。併せてご活用ください!↓

目次

寿司ネタの選び方

まずはネタの選び方から!
ぶっちゃけ、いいネタを選ぶだけで寿司レベルが格段にアップします。笑

寿司は素材を活かすもの!美味しいネタの力を我々が引き出すのです。


寿司ネタであるサクを買うときに気にするポイントは以下の3つです。

  • 魚の種類
  • 鮮度と質
  • 握り寿司向きかどうか

魚の種類・マグロ

マグロはマグロでも様々な種類があり、特徴が異なります。
目的に合わせて種類を選びましょう!代表的なものを紹介します。


【美味しい枠】本マグロ(クロマグロ)/ ミナミマグロ

めちゃ美味しいです。その分高いです。笑
マグロの旨みが濃くて甘く、脂がよくのっているものが多いです。

渾身の1カンを握るときは是非本マグロで!

質によりますが、サク1つ(約10貫分)の中トロで3000円前後くらいのイメージです。
大トロも大変魅力的ですが、サクで買うには大きい(脂が胃にくる…)のとマグロの味をしっかり楽しみたいので、私はいつも中トロを選びます!


【リーズナブル枠】メバチマグロ / ビンチョウマグロ

リーズナブルにマグロを楽しめます。薄ピンク色で、さっぱりした味わいです。
1000円前後でサクが買えますし、味ももちろん美味しいのでおすすめです!

本マグロと比べると脂が少ないので(胃的に)たくさん食べられますね。
安くたくさん買って、お腹いっぱい食べたい時にちょうどいいんです!

身がしっかりしていて切りやすいので、練習にも向きます○

握りの準備

本マグロ買ってきました。握るぞ!!!

魚の種類・サーモン

サーモンもマグロ同様、以下の2つの種類をよく見ます!


【美味しい枠】アトランティックサーモン

味が濃く、脂が乗っていて美味しいです!基本この2つの要素が揃えば美味しいんですね。笑
値段はサクあたり1500円程度です。

【リーズナブル枠】トラウトサーモン

こちらはリーズナブルなサーモンです!鮭ではなく鱒ですね。さっぱりめです!
さっぱりが悪いわけではなく、安く美味しく(胃的にも)たくさん食べられるのでGOODです!

鮮度と質

買う魚の種類を決めたら、たくさん並んでいるサクの中から1つを選ばななくてはいけません。
美味しい個体を見分けるポイントを解説します。

お寿司屋さんが市場で行う「目利き」をしているみたいでテンションUPですね!!


【マグロの場合】

・色がしっかり赤く、透明感がある
 白っぽいものは鮮度が落ちていたり、冷凍焼けやドリップが出ている可能性があります。

 また、黒や緑っぽく変色しているものも解凍後時間が経過しているものの特徴ですね。
 ツヤがあるかも見てみましょう。

・サシが細かく、脂が乗っている(お好み)
 脂のサシ(網目状の白い脂)が細かく入っているものは、お肉で言う「霜降り」のようなものです。
 脂のノリ具合はお好みですが、サシが細かいものは噛むとジュワッと脂の旨味が弾けます!!

・ドリップ(水分)が出ていない
 トレーに入っている場合は傾けて確認しやすいです。
 水分が出ているものは鮮度が低く、パサつきや旨味が抜け出てしまう原因になります。

・斑点がない
 斑点は血を上手く抜けずにできるので、生臭いことがあります。
 市場などでは斑点があるものを割引して売ってくれるイメージですね。

 傷みやすいことがあるので、早めに食べましょう。


【サーモン・鯛などの場合】

・色が綺麗
 これは全てのお魚共通ですね。特に鯛は透明感があるものがいいです。
 劣化すると白く濁り、水分が抜けて身が崩れてきます。

・皮目が綺麗
 サーモンや鯛は柵にするときに皮を剥いだ跡があります。
 サーモンの場合は銀色、タイの場合は赤色や銀色がしっかり残っているものは新鮮で美味しいです!

握り寿司向きかどうか

主にマグロは、スジの向きや強さを確認しましょう。

筋が薄く、横向きに通っているものが寿司向きです!

筋が厚いと食感に影響します。また、縦向きに通っていると長い筋がネタに残り、これも食感に影響します。

筋の向き

まとめ

・魚の種類を選ぶ。本マグロやアトランティックサーモンが美味しい!
・鮮度と質が良いものを選ぶ。透明感があり色が鮮やかであればOK。
・寿司に向いたものを選ぶ。筋は薄くて横向きのもの。

こだわりの酢飯

酢飯にもこだわってみましょう!お米とお酢、それぞれについて解説します。

【お米の銘柄の選び方】

お米にはいろいろな銘柄がありますね。
握り寿司は口に入れた時に「ハラリとほどける」のが良いので、モチモチよりも硬めなものが向きます。

・ヒノヒカリ
・ななつぼし

あたりが硬めで向いているように感じます。

【新米or古米】

酢飯を作るときは、水分が抜けている古米の方がほどけやすくGOODです!
酢を吸いやすいので、味に一体感も出やすいです。

【こだわりのお酢】

お酢にもちょっとこだわってみましょう。

昔の江戸前寿司でよく使われていた「赤酢」ですが、米酢よりも口当たりがまろやかでコクがあります

最近はすっかり米酢が主流でしたが、高級寿司屋を中心に再び使うところが増えています!

赤酢のすし酢は若干高価(体感で米酢の倍くらい)ですが、「高級寿司屋っぽい赤い酢飯」と「まろやかな味わい」を手に入れるために1本買ってみてはいかがでしょうか!

まとめ

酢飯のお米は硬め(ヒノヒカリなど)、古米が向く
赤酢も視野に入れてみる

煮切り醤油を作ってみる

家でお寿司を食べる時は、市販のお醤油を使う場合が多いのではないでしょうか。
醤油にもこだわってみましょう!!

お勧めするのは「煮切り醤油」を作ることです。

「煮切り」とは酒やみりん等を煮てアルコール分を飛ばしたものです。よく和食で使われますね。
これを醤油と混ぜることで、醤油の塩味がまろやかになり、一気に味に奥深さが出ます!

いい寿司屋では煮切り醤油を塗ったお寿司を出すこともありますね。

【レシピ】握り寿司4〜5人分

  • 醤油 大さじ3
  • 酒 大さじ1
  • みりん 大さじ1
  • 白だし 小さじ1〜2
  • 酒とみりんを混ぜ合わせ、煮る
  • 醤油と白だしを加え、もう少し煮る

シンプルですね!
出汁は無くてもOKです。昆布などを使うレシピもありますが、私は代わりに白だしを使っています!

お寿司にはハケを使って塗ってみましょう。一気にプロっぽくなりますね!!
なければスプーン等で塗ってもOKですが、ハケの方が薄く綺麗に塗れます。

煮切り醤油を塗る

サクの切り方ー上級

サクの切り出し方を一工夫して、より美味しい、より美しい握り寿司を目指しましょう!
今回は以下2つのテクニックについて解説します。

  • 小刃返し
  • 飾り包丁(隠し包丁)

小刃返し

「小刃返し」とは、サクを切り出す最後に包丁を立てるテクニックです。

コバ返し

メリットは以下です!

見た目が美しくなる(ネタが分厚く見える、ネタにラインが入ってスタイリッシュになる)
塗った煮切り醤油が垂れなくなる

コバ返しのメリット

飾り包丁

「飾り包丁」とは、ネタに浅く切れ込みを入れるテクニックです。

飾り包丁

メリットは以下です!

見た目が美しくなる(ネタにラインが入ってスタイリッシュになる)
塗った醤油が馴染みやすくなる(脂の多いトロや、ツルツルしたイカ等は水分を弾いてしまう)
筋に切れ込みが入り、ほぐれやすくなる

飾り包丁のメリット

いかがでしょうか。これらの工夫をするだけで、見た目も味も良いお寿司が握れます!!
握り方は基本に忠実に行いましょう。

中トロの握り寿司

まとめ

・最後に包丁を立てて切る小刃返し(美味しそうに見える、醤油が垂れない)
・切れ込みを入れる飾り包丁(美味しそうに見える、醤油が馴染む、筋が切れる)

寿司を美しく見せる

最後に、お寿司を美しく見せる方法をご紹介します。

  • お皿にこだわる
  • 笹の葉やバランを使う
  • お寿司を同じ形、大きさ、向きに揃える

お皿にこだわる

せっかく握ったお皿を綺麗に引き立てるため、お皿を用意しましょう!
100均でも良いものがありますので、ぜひ専用の1枚を!


おすすめは以下の3種類です。

寿司桶(豪華に見える)
寿司下駄(王道)
黒いお皿(寿司が映える色)

皿選び

私は現在黒いお皿を使っています。他の料理にも使えるので便利です!

以前はプラスチック製の黒い下駄を使っていました。
プラスチック成形する時のヒケ(凹み)があってイマイチだったのと、表面のコーティングが剥げて汚くなったので買い替えました。

漆の器、木製、陶器のものを選ぶのが良いと思います!

笹の葉やバランを使う

笹の葉やバランなど、お寿司を引き立てるアイテムを使うのも良いでしょう!
通販でも買うことができます。

アイテム

お寿司を同じ形、大きさ、向きに揃える

プロの握りのすごいところは、毎回安定して同じ形・大きさのお寿司を提供できるところです。
コレができると「プロっぽい!」となるわけです。

または、あえて1貫ずつ握って出して、カウンター寿司のような雰囲気を出すのも手です。笑

ある安定するには練習が必要ですが、ピシッと揃った握り寿司は壮観です!!

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まとめ

お皿にこだわる(寿司桶、寿司下駄、黒いお皿)
引き立てアイテム(笹、バラン)
形、大きさ、向きを揃える(練習あるのみ!!)

へいおまち!

本マグロの中トロ!!

小刃返し、飾り包丁を入れて煮切り醤油を塗ってあります。つやつや!

中トロの握り寿司

鯛!

皮目にしっかり色が残っています。プリプリ!
小刃返しをすると皮が手前を向いて目立ちます。

鯛の握り寿司

サーモンも!

アトランティックサーモン。脂がよく乗っていて甘かったです。

サーモンの握り寿司





今回は上級編をお届けしました。寿司修行に終わりはないので、次回は超上級編(?)ですかね。乞うご期待!!
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この記事を書いた人

休日めし職人。師匠は料理の先生である祖母。
本業はデザイナー。時々イラストレーターもやります。
10年にわたるめし研究の成果を書き残すべく、図解付きの備忘録ブログを始めました。

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